「来週、5人で伺います」突然届いた、ユニオンからの一通

ユニオンからの来訪通知を読み、冷や汗を浮かべる経営者
法人リスクダム|労務トラブル

「来週、5人で伺います」
突然届いた、ユニオンからの一通

もし明日、あなたの会社や医院に届いたら。

月曜日の朝。いつものように仕事を始めたところへ、受付が一通の封筒を持ってきました。

差出人は、聞いたことのない「ユニオン」。

中には、職員が労働組合に加入したこと、会社や医院との話し合いを求めていること、そして——「当日は複数名で伺います」と書かれています。

院内に組合なんてない。本人からも何も聞いていない。なぜ外部の人たちが来るのか。受付や患者さんの前で騒ぎになったらどうしよう。

その瞬間、経営者や院長の頭には、いくつもの不安が一気に押し寄せます。

でも、最初に知っておいてください。
これは、特別な会社だけに起きる話ではありません。大切なのは、怖さや怒りのまま最初の返事をしないことです。

何が起きているのか

ユニオン(合同労組)は、会社の中にある労働組合とは限りません。職場に組合がなくても、職員や退職者が一人で加入し、残業代、退職、解雇、ハラスメントなどについて会社側との話し合いを求めることがあります。

その正式な話し合いが「団体交渉」です。申入書が届いたからといって、相手の主張がすべて正しいと決まったわけではありません。ただ、「外部の団体だから関係ない」と無視してよいものでもありません。

最初に、やってはいけないこと

  • 「うちには組合などない」と、その場で追い返す
  • 申入書を机の中にしまい、返事をしない
  • 本人を呼び出し、「なぜユニオンに入った」と問い詰める
  • 受付や現場の職員が、事情や会社の考えを説明してしまう
  • 焦って謝罪したり、支払いなどを約束したりする

拒絶も、即答も、放置も避けます。その場で結論を出さず、まず受け取り、記録し、相談する。それだけで初動の失敗は大きく減らせます。

正しい初動は、この4つだけ

1 書類を保存する封筒と申入書を残し、いつ、誰が受け取ったかを記録します。
2 窓口を一人にする受付や現場には「担当者から連絡します」とだけ伝えるよう共有します。
3 受領だけを伝える内容を認めず、「確認のうえ担当者から連絡します」と落ち着いて返します。
4 返事の前に相談する団体交渉に詳しい弁護士へ申入書を見せ、必要に応じて顧問社労士にも共有します。

もし、複数人で突然来たら

予定のない訪問を、そのまま執務室や診療スペースへ通す必要はありません。受付で立ち止まってもらい、担当者から改めて連絡すると伝えます。患者さんや職員がいる場所では、個別の事情を話さないようにします。

「本件は担当者を通じて対応いたします。本日は面談の予定がありませんので、書面とご連絡先をお預かりし、担当者からご連絡します。」

人数が多いというだけで、直ちに危険な相手と決めつける必要はありません。一方、暴力、脅迫、退去しないなど現実に安全上の問題がある場合は、安全を優先します。

3分チェック

  • 封筒と申入書を保存した
  • 回答期限と相手の連絡先を確認した
  • 社内・院内の連絡窓口を一人に決めた
  • 本人を問い詰めたり、不利な扱いをしたりしていない
  • その場で断る、認める、約束することを避けた
  • 弁護士または顧問社労士へ連絡した

申入書が届いたら、まず専門家へ

すでにユニオンから申入書が届いている場合は、自己判断で返事をせず、団体交渉に詳しい弁護士等の専門家へ早めに相談してください。

相手方への回答内容、団体交渉の進め方、法的な判断は、専門家へ確認することが大切です。

このようなことが起きても慌てないために、平時のうちに準備しておきませんか。
誰へ連絡するのか。どの書類を保存するのか。受付は何と答えるのか。社内・院内の窓口を誰にするのか。問題が起きる前に決めておけば、突然の申入れにも落ち着いて対応できます。

法人リスクダム「事前対応の相談窓口」

まだ問題が起きていない段階で、現在の連絡体制、書類の保存方法、受付対応、専門家への相談ルートを一緒に整理します。

この窓口は法律相談や団体交渉の代理を行うものではありません。万一のときに事業主・院長が慌てず、速やかに専門家へ相談できる状態をつくるための事前対応窓口です。

最後に

捨てない。怒らない。約束しない。ひとりで抱えない。

この4つを覚えておくだけで、最初の一歩は変わります。

本記事は一般的な情報提供を目的とするもので、個別案件への法的助言ではありません。具体的な対応は、労働組合法・団体交渉に詳しい弁護士等へご相談ください。

ご確認ください

本ページは、法人・医療機関等の経営リスクを考えるための一般的な情報です。個別の事故における責任の有無や必要な対応は、具体的な状況によって異なります。実際の事故や個別の判断については、関係機関または適切な専門家へご確認ください。

相談窓口では、現在気になっているリスクや、平時に確認したい事項を整理します。

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