医院・法人経営者の地震リスク
建物は倒れなかった。
それでも、会社は止まりました。
建物は倒れなかった。設備にも、大きな損傷は見当たらない。社長は「明日には営業できる」と思いました。
しかし、電気が来ない。水が出ない。通信がつながらない。メーカーの点検は順番待ち。従業員も出勤できない。
売上だけが止まり、給与、家賃、リース料、借入返済は止まりません。
揺れが収まった後から、本当の事業停止が始まりました。
地震の後、本当に怖いのは「見えない事業停止」です
建物が倒壊しなくても、次の一つが欠けるだけで事業は止まります。復旧業者やメーカーへの依頼が集中すれば、点検を待つだけで再開が遅れることもあります。
建物・内装
天井、ガラス、配管、棚、間仕切りの損傷。安全確認が終わるまで建物へ入れない場合もあります。
設備・機器
外観が無傷でも、精密機器や製造設備は位置ずれや内部損傷の点検が必要です。メーカー確認まで使用できないことがあります。
電気・水・通信
停電、断水、回線障害が一つでも続けば、診療、決済、予約、受発注、顧客対応が止まる可能性があります。
人員・交通
スタッフが出勤できない、家族の安全確保を優先する、物流が止まる。建物だけ直っても人と物がそろうとは限りません。
復旧の順番待ち
地域全体が被災すると、修理、点検、部品、代替機が不足します。「連絡はついたが来てもらえない」期間が長引くことがあります。
休業・資金繰り
売上が途絶えても固定費は続きます。修理費と休業損失が同時に発生し、再開前に資金が尽きるおそれがあります。
もし、明日から1か月売上がゼロになったら?
給与、家賃、リース料、借入返済を支払いながら、修理費、代替設備、仮事務所、データ復旧の費用を用意できますか。取引先や患者・顧客が戻るまでの期間も含めると、建物の修理完了がそのまま経営の再開を意味するわけではありません。
「建物は無事だったのに、事業を続けられない」——地震後に避けたいのは、この状態です。
実際に確認された設備被害
熊本県の医療機関緊急調査では、回答した歯科診療所669施設のうち187施設(約28%)で医療機器の被害が報告され、復旧必要額は約4億円とされました。これは特定の診療科だけの問題ではなく、高額設備を使う医療機関や事業者にとって、建物以外の損害が経営再開を左右することを示す実例です。
回答施設で医療機器被害
医療機器被害を報告
医療機器の復旧必要額
まずは、止まった後の順番を整理してみませんか
再開に必要な設備、連絡先、休業中の固定費など、今どこまで決まっているかを確認するところから始められます。
3分チェックで整理する 事前対策の相談窓口はこちらご確認ください
本ページは、法人・医療機関等の経営リスクを考えるための一般的な情報です。個別の事故における責任の有無や必要な対応は、具体的な状況によって異なります。実際の事故や個別の判断については、関係機関または適切な専門家へご確認ください。
相談窓口では、現在気になっているリスクや、平時に確認したい事項を整理します。


