地震リスク|施設編
地震が起きた瞬間、施設の中にいる人を、誰が、どこへ、どの順番で避難させますか?
こども園には自分で逃げられない子どもがいる。医療・介護施設には電源や介助が必要な人がいる。店舗には避難口を知らないお客さんがいる。施設側の準備が、その人たちの安全を左右します。
地震そのものと、施設の管理は別の問題です
地震を起こした責任はなくても、設備の固定、避難経路、点呼、誘導、非常用電源など、平時に準備できたことまで不可抗力になるとは限りません。
こども園・保育施設
子どもの点呼、職員配置、避難、保護者への連絡と引き渡し。道路や通信が止まった場合も預かり続けられますか。
医院・病院
処置中の患者、車いす利用者、酸素や透析など電源が必要な患者を、停電やエレベーター停止時にどう守りますか。
介護・福祉施設
自力移動が難しい利用者の避難、薬、食事、排せつ、夜間の少人数体制まで想定されていますか。
店舗・商業施設
商品、照明、ガラスの落下から守り、建物内待機か屋外避難かを誰が判断し、来店客へ案内しますか。
実際に問われた、地震後の避難判断
高台にあった幼稚園が、園児を乗せたバスを低地へ出発させた
東日本大震災の際、宮城県石巻市の幼稚園は高台にありましたが、園児を自宅へ送り届けるため、送迎バスを海側の低地へ出発させました。バスは津波に巻き込まれ、遺族が園側の責任を問いました。
裁判で問われたのは、巨大地震を事前に予測できたかではありません。強い揺れを体感した後、津波情報を集め、園児を高台の園に待機させる判断ができたかという点でした。第一審は園側の情報収集義務違反と死亡との因果関係を認め、その後の控訴審では、園側が法的責任を認めて謝罪する内容で和解しました。
名簿にいない一人を、どう確認しますか?
来店直後のお客さん、トイレにいる子ども、検査室へ移動した患者、面会中の家族。地震は全員が同じ場所にいるときに起きるとは限りません。点呼の対象と方法が決まっていなければ、取り残しに気づけない可能性があります。
施設ごとに決めておきたいこと
- 利用者、来店客、患者、付き添いを含めた安否確認
- 自力避難できない人の担当者と優先順位
- 建物内待機と屋外避難を分ける判断基準
- 非常用電源、水、食料、薬、衛生用品の使用可能時間
- 保護者への引き渡し、他院・他施設への搬送方法
- 責任者不在、夜間、休日を想定した訓練
ご確認ください
本ページは一般的な経営リスク情報です。個別の事故における責任や必要な対応は具体的状況により異なります。実際の事故や個別判断は、関係機関または適切な専門家へご確認ください。


