ご確認ください
本ページは、法人・医療機関等の経営リスクを考えるための一般的な情報です。個別の事故における責任の有無や必要な対応は、具体的な状況によって異なります。実際の事故や個別の判断については、関係機関または適切な専門家へご確認ください。
相談窓口では、現在気になっているリスクや、平時に確認したい事項を整理します。
医院だけでなく、院長・理事個人に請求が届くこともあります。
先生個人に、3,000万円の損害賠償請求が届いたら?
医院の経営環境が厳しくなり、院長は事務長と相談して、スタッフ1名の解雇を決めた。
十分に話し合ったつもりだった。医院の経営を守るために、やむを得ない判断だと考えていた。
ところが数か月後、弁護士から内容証明郵便が届く。宛先は、医療法人ではありません。院長である先生個人です。
「不当な退職強要およびパワーハラスメントによって精神的損害を受けたとして、院長個人に対し、3,000万円の損害賠償を請求します」
請求書が届いた段階では、相手の主張が事実かどうかも、院長個人に法的責任があるかどうかも、まだ確定していません。それでも先生は、突然その対応を迫られます。
経営判断をしただけでも、個人の責任を問われることがあります
過労・メンタル不調への対応
スタッフが過労やメンタル不調となり、「院長は状況を把握していたのに、必要な対応を取らなかった」として、安全への配慮や管理上の責任を追及された。
個人情報漏えい・院内事故
患者情報の重大な漏えいや院内事故が発生し、「管理体制の不備を認識しながら放置していた」として、院長や担当理事個人の責任を問われた。
理事・役員間の対立
経営方針をめぐって理事・役員間で対立が生じ、「院長の判断によって法人に損害が生じた」として、法人や他の役員などから責任を追及された。
設備投資・契約上の判断
高額な医療機器の導入や取引先との契約が、結果として大きな損失につながり、「十分な調査や検討をせず、不適切な経営判断をした」と主張された。
ハラスメント相談の放置
院長自身がハラスメントをしていなくても、「スタッフから相談を受けていたのに、調査も対応もしなかった」として、管理上の責任を問われた。
「自分は何もしていない」だけでは終わらないことがあります
ハラスメントをしたかどうかだけがリスクではありません。相談や報告を受けた後に、誰が事実を確認したか、どのような記録を残したか、必要な調査や対応を行ったか、情報を適切に管理したか、どの段階で専門家へ相談したかといった、院長・理事としての対応が問われる場合があります。
もちろん、請求されたからといって責任が確定するわけではありません。だからこそ、書類や記録を保全し、事実関係を整理したうえで、早い段階から専門家へ相談できる体制が重要です。
法人が訴えられるリスクと、先生個人が責任を問われるリスクは別です
- 従業員との間で問題が起きる
雇用・労務・ハラスメントのリスク - 患者との間で問題が起きる
診療・損害賠償のリスク - 院長・理事個人の責任を追及される
役員としての判断・管理責任のリスク
①や②への対応体制が整っていても、③への備えまで十分とは限りません。重要なのは、問題が起きたときに、誰へ連絡するのか、どの記録を保全するのか、誰が事実確認を行うのか、院内でどこまで情報を共有するのか、どの段階で外部専門家へ相談するのかを、あらかじめ決めておくことです。
3分で確認|院長・理事個人のリスクに備えていますか?
- □ 院長・理事個人が請求を受けた場合の相談先が決まっている
- □ 解雇や退職勧奨など、重要な人事判断の経緯を記録している
- □ ハラスメント相談を受けた場合の報告・調査手順がある
- □ 過労やメンタル不調の兆候を把握した場合の対応手順がある
- □ 高額な設備投資や重要契約の検討過程を記録している
- □ 個人情報漏えいや重大事故が起きた場合の初動体制がある
- □ 理事会などの重要な意思決定を記録として残している
- □ 弁護士・社労士など、早期に相談できる専門家がいる
気になる項目や確認できていない項目があれば、現在の対応体制を一度整理してみませんか。
ご確認ください
本ページの事例は、院長・理事個人に関するリスクを分かりやすく説明するための仮想事例です。損害賠償を請求されたことのみをもって、院長・理事個人の法的責任が認められるものではありません。責任の有無や適切な対応は、事実関係や請求内容などによって異なります。個別の事案については、弁護士等の専門家へご相談ください。


