「風邪が治りません」と言っていた社員。数週間後、会社に届いたのは“うつ病”の診断書だった。

うつ病の診断書を見て、空席の社員の異変を見逃していたことに気づく上司

ある社員から、こんな連絡が入りました。

「風邪がなかなか治らなくて、体調が戻りません」

会社としては、「無理しないで、しっかり治してから出社してください」と伝えました。

ところが後日、社員から思いがけない報告が入ります。

「病院の先生から、心療内科を受診するよう勧められました」

そして数週間後――。会社に提出された診断書には、「うつ病」と書かれていました。

社長なら、ここからどうしますか?

「とりあえず休ませよう」

それだけで済むでしょうか。

もし本人から、

「仕事が原因だと思います」

と言われたら、話は一気に変わってきます。

  • 上司との人間関係はどうだったのか
  • 残業は多くなかったか
  • 本人から以前、何か相談を受けていなかったか
  • 職場で異変に気づいていた人はいなかったか

会社が単なる「体調不良」だと思っていた問題が、労務管理上の大きなリスクに変わる可能性があります。

「休ませれば終わり」ではありません

うつ病などで長期間仕事を休むことになれば、会社には次々と判断事項が出てきます。

  • 有給休暇を使うのか
  • 傷病手当金を申請するのか
  • 休職制度を適用するのか
  • 休職中の社会保険料をどうするのか
  • 本人との連絡を誰が、どの程度行うのか
  • 「仕事が原因」と主張された場合どう対応するのか
  • 復職したいと言われたとき、誰が何を基準に判断するのか

良かれと思って行った対応が、後になって問題になることもあります。

だからこそ、診断書が出てから慌てて考えるのではなく、会社としての対応手順を平時から決めておくことが重要です。

3分でできる休職対応チェック

  • □ 就業規則に休職制度が定められている
  • □ 休職を開始する際の手順が決まっている
  • □ 休職中の本人との連絡担当者が決まっている
  • □ 社会保険料の本人負担分をどう扱うか決めている
  • □ 傷病手当金について案内できる
  • □ 「仕事が原因」と言われた場合の初動を決めている
  • □ 復職時に診断書だけで判断しない仕組みがある
  • □ ハラスメントや長時間労働の事実確認を行える体制がある

一つでも「どうだったかな?」と思った項目があれば、確認しておく価値があります。

体調問題が経営リスクに変わる前に

最初の連絡は、「風邪がなかなか治りません」だったかもしれません。

しかし、その後に届いた一枚の診断書から、休職、社会保険、労災、職場環境、復職――さまざまな問題につながることがあります。

社員の体調問題が、いつ会社の経営リスクに変わるのか。

その境目は、意外と分かりにくいものです。

だからこそ、「何か起きてから」ではなく、何も起きていない今のうちに、自社のルールを確認しておく。それも大切なリスク管理の一つです。

法人リスクダムの事前対策相談

法人リスクダムでは、休職開始時の手順、本人との連絡体制、社会保険料、復職判断、職場環境の確認など、社員の体調問題が発生する前に整理しておきたい項目をご案内します。

事前対策の相談窓口はこちら

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法律・労務・医療上の判断を行うものではありません。具体的な事案については、医師、社会保険労務士、弁護士等の専門家へご相談ください。

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