「すみません」では、済みません。

納品部品の寸法違いで生産ラインが止まり、取引先から電話で指摘を受ける担当者 経営リスク

「サイズが違うぞ!」

取引先の工場から、突然電話が入りました。

「おたくが納品した部品、サイズが違うぞ!」

担当者は慌てて図面を確認しました。

確かに寸法が違っています。

「申し訳ありません!すぐに作り直して納品します!」

ところが、電話の向こうから怒鳴り声が返ってきました。

「もう生産ラインが止まってるんだよ!」

その部品がなければ、次の工程へ進めません。

何十人もの作業員が待機し、完成するはずだった製品が生産できなくなっています。

担当者は大急ぎで代替部品を手配しました。

これで何とか収まると思っていました。

しかし、後日、取引先から届いたのは損害賠償請求書でした。

そこには、部品の再製作費用だけでなく、生産ラインの停止によって失われた利益まで記載されていました。

「えっ……こんな金額になるんですか?」

部品代より、止まった時間の方が高い。

製造業では、たった一つの部品の不具合が、取引先の生産ライン全体を停止させることがあります。

部品の作り直しには数万円、数十万円しかかからなくても、生産ラインの停止によって失われる利益は、その何十倍、何百倍にもなる可能性があります。

大手自動車メーカーでは、工場全体の生産停止による損失が、1時間あたり数億円規模に達するとの試算もあります。

実際に、納品部品の不具合による生産ラインの停止などを理由に、数千万円規模の損害賠償を請求された事例もあります。

もちろん、請求された金額のすべてが賠償金になるわけではありません。契約内容や責任の範囲、実際に発生した損害などによって判断は変わります。

しかし、納品した部品の代金だけを基準に考えていると、思いもよらない金額を請求される可能性があります。

作り直せるのは、部品だけです。

止まった生産ラインの時間は、作り直せません。

「すみません」では、済みません。

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