まさか、こちらに?シリーズ②
日曜日の夕方。
社員が社用車を運転していました。
仕事ではありません。
会社も休み。
社員は完全なプライベートで出かけていました。
その帰り道――
ドン!!
交差点で別の車と衝突。
相手は怪我をして救急搬送されました。
翌日、社員から事故の報告を受けた社長。
「休日に社用車を使ってたのか?」
「すみません……」
社長は呆れました。
ただ、こうも思いました。
「まあ、休日の個人的な事故だ。本人の問題だろう」
ところが――
しばらくして会社に連絡が入ります。
被害者側からでした。
事故を起こした社員だけではなく、
会社に対しても損害賠償を求めてきたのです。
社長は驚きます。
「ちょっと待ってください」
「休日ですよ?」
「仕事でもありませんよ?」
そして――
「……なぜ会社に請求が来るんだ!?」
「休日」「私用」なら会社は関係ない?
休日の社用車事故で会社に責任はあるのか
必ずしも、そう簡単には決まりません。
社員が事故を起こした場合、本人が責任を負うのは当然として、一定の場合には会社についても使用者責任などが問題になることがあります。
そして社用車の場合、
誰の車なのか。
普段どのように使われていたのか。
会社は私用を認めていたのか。
鍵や車両をどう管理していたのか。
休日の使用を会社が知っていたのか。
こうした事情も重要になってきます。
単に、
「事故が起きたのは休日だった」
という一言だけで、会社への請求そのものがなくなるとは限りません。
「勝手に乗ったんだから本人の責任だろ!」
もちろん、本当に会社が私用を禁止し、車両や鍵を適切に管理していたのに社員が無断使用した――という事情なら、会社側の責任を否定する方向の重要な事情になります。
しかし、
「みんな休日にも乗っていた」
「社用車でそのまま帰宅させていた」
「私用禁止とは決めていなかった」
「鍵は自由に持ち出せた」
「会社も以前から知っていた」
となったらどうでしょう。
被害者側から見れば、
「本当に会社と無関係な車の使用だったのですか?」
という話になってきます。
事故を起こしたのは社員。
ハンドルを握っていたのも社員。
しかも休日。
仕事ですらない。
だから、
「会社には関係ない」
そう思っていた社長。
ところが気がついたときには――
被害者からの矛先が、こちらにも向いていました。
3分チェック
□ 社用車の私用についてルールがありますか?
□ 休日利用を認める・認めないが明確になっていますか?
□ 社用車の鍵は管理されていますか?
□ 社用車での通勤・持ち帰りについてルールがありますか?
□ 無断使用が発覚した場合の対応を決めていますか?
「休日だから会社は関係ない」ではなく、事故が起きる前の車両管理が問われることがあります。
※実際の会社の法的責任は、車両の使用実態、会社の管理状況、事故時の事情などによって個別に判断されます。


