帰りの電車で資料を見てもらっただけ
退勤間際、社長が資料を渡した。
「明日の打ち合わせで使うから、帰りの電車で見といて」
社員は17時30分に退勤。電車で資料を開き、数字を確かめ、気になる箇所に印をつけた。スマホを見ると18時12分。
翌朝。
「資料、見た?」
「はい。電車で確認しました」
社員が申請書を差し出した。
「昨日の40分、時間外で申請します」
「えっ!? 通勤中だよ!?」
電車に乗っていた40分は?
普通の通勤時間が、そのまま労働時間になるわけではありません。ただ、今回は会社から資料確認を頼まれ、電車内で実際に作業しています。
指示の内容、確認した作業、実際にかけた時間で判断します。乗車した40分が自動的にすべて残業になるという話でもありません。
厚生労働省のガイドラインでも、労働時間は場所や打刻だけではなく、会社の指揮命令下で業務をした実態から判断するとされています。参考:労働時間の把握に関するガイドライン。
経営者から見れば、もう帰宅途中。
でも社員の手には――
まだ会社の資料が開かれていた。
見えない残業シリーズ
「社内で少し気になることがある」そんな段階から事前対策の相談窓口はこちらをご利用いただけます。

