会社の歓送迎会。
泥酔した男性従業員が、女性従業員に抱きつき、お尻を触りました。
翌朝、本人に確認すると、
「酔っていて、覚えていません」
社長は厳重注意をして、この件を収めたつもりでした。
しかし数日後。
会社に一本の電話が入りました。
「妻がカラダを触られました。社長さまですか?――どのように対応されますか?」
夫は怒鳴っていません。
静かに、そう尋ねました。
そして最後に付け加えました。
「警察には、すでに相談しています」
酒の席でも、会社の問題になり得る
会社が主催した宴会や、実質的に仕事の延長と認められる飲み会は、勤務時間外・社外の店であっても「職場」と判断される場合があります。
身体への接触は、セクシュアルハラスメントだけでなく、態様によっては刑事事件に発展する可能性もあります。
会社が申告を軽く扱えば、その後の事実確認や被害者への配慮、行為者への対応まで問われかねません。
酔っていた。
覚えていない。
本人には注意した。
それだけで、本当に終わったと言えるでしょうか。
電話を切った後、社長は何をするか
まず、被害を訴えた女性の安全を確保します。
行為者と同席させない。
直接謝罪を急がせない。
「大事にしないでほしい」と頼まない。
次に、本人と同席者から別々に話を聞きます。
日時、場所、参加者。
誰が、どこまで見ていたのか。
メッセージや写真などは残っているか。
酔っていた行為者の記憶だけで、事実を決めてはいけません。
「注意しました」だけでは終われない
会社が問われるのは、飲み会で起きた行為だけではありません。
相談を受けた後、何をしたのか。
被害者を守ったか。
公平に調査したか。
行為者へ適切に対応したか。
再発を防ぐ措置を取ったか。
その一つひとつが、後から確認されます。
社長が言ってはいけない言葉
「酒の席だから」
「本人も悪気はなかった」
「謝らせるから、警察はやめてほしい」
「会社の評判に関わるので黙っていてほしい」
火を消すつもりの言葉が、会社による二次被害になることがあります。
問題は、男性従業員がお尻を触った瞬間だけではありません。
電話を受けたその瞬間から、会社の対応も記録され始めます。
なお、平時に初動手順を整理しておきたい場合は、事前対策の相談窓口はこちらでも確認できます。




