「その作業のやり方が違うだろ!」

作業方法をめぐり口論する社員と、労災に驚く社長 経営リスク

社員の喧嘩シリーズ②

現場で二人の社員が作業していた。

一人が言った。

「その作業のやり方、違うだろ!」

「うるさい!俺はずっとこれでやってる!」

「だから事故が起きるんだろ!」

口論はどんどん激しくなった。

そして――

ドン!

一人が相手を殴った。

倒れた社員は骨折。

救急搬送された。

社長は頭を抱えます。

「喧嘩だろ?これも労災なのか?」

「殴られた=労災ではない」ではありません

重要なのは、

なぜ殴られたのか。

今回の発端は、

「作業方法」をめぐる口論。

つまり、仕事そのものから発生したトラブルです。

他人から故意に暴行された怪我でも、業務との関係が認められれば、労災となる可能性があります。

反対に、

「俺の彼女に何をした?」

のような私生活上の恨みが原因なら、同じ職場、同じ勤務時間中の喧嘩でも判断が変わる可能性があります。

ところが、話は労災だけでは終わらない

怪我をした社員が考えるのは治療費だけでしょうか。

長期間仕事ができない。

後遺障害が残った。

精神的な苦痛も受けた。

そうなれば、

殴った社員本人への損害賠償請求

が問題になります。

そして状況によっては――

会社側の責任まで問題になる可能性があります。

「労災が出るなら、それで終わり」ではない

たとえば会社が、

以前から二人の対立を把握していた。

暴力的な社員だと知っていた。

現場責任者が口論を放置した。

適切な指導や配置変更をしなかった。

そんな事情があれば、

会社の安全配慮義務などが問われる可能性があります。

労災給付と、会社に対する民事上の損害賠償請求は別の問題です。

「社員同士が勝手に喧嘩しただけだろ!」

そう思っていた社長。

ところが、

労災。

さらに、

加害社員への請求。

そして――

会社にも請求。

社員同士の一発のパンチが、会社にまで飛んでくることがあります。

3分チェック

□ 現場で社員同士の対立が起きていませんか?

□ 暴言・威嚇を「よくある喧嘩」で済ませていませんか?

□ 現場責任者はトラブルを会社へ報告していますか?

□ 暴力発生時の対応ルールは決まっていますか?

喧嘩だから労災ではない――とは限りません。

※実際の労災認定・法的責任は、個別の事情によって判断されます。

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