「社長、社宅が水浸しです」
「大家に言えよ」
「言いました……でも」
「家財、全部ダメになりました」
テレビ。
ベッド。
服。
パソコン。
全部、水浸し。
「それも大家に言え」
「家財までは面倒見られないって……」
「じゃあ自分で何とかしろ!」
「でも、部屋に住めません」
「ホテル代、どうすればいいですか?」
「友達の家でも泊まれ!」
――数日後。
会社に一通目。
社員の代理人から。
「ホテル代等の請求書」
二通目。
同じ封筒の中に、
「退職届」
理由は一言。
「被災後の会社の対応に、うんざりしました。」
そして三通目。
大家側から。
「修理費用について、借主である御社にも負担を求めます」
社長が慌てて契約書を見る。
「借主 株式会社○○」
被害者は社員。
水害を起こしたのも会社ではない。
それでも――
ホテル代。
退職届。
修理費。
――まさか、こちらに。
※実際の負担責任は、水害の原因や賃貸借契約、借主側の管理状況などによって異なります。

